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2019.07.12

File No.1 第3回 からだにいい、だけじゃ物足りない

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チャレンジし困難と立ち向かう女性たちへのインタビュー。File No.1はコンフェクションでレシピ開発の先頭にたつ緒方のり子(おがたのりこ)さんです。インタビュアーはコンテンツ制作部の前迫です。

オーナーとの出会い、夢へのスタート

前迫 単に美味しい、キレイというお菓子をつくることに疑問を感じた時にQonfection の立ち上げに誘われたんですね。

緒方 はい。まだその時点では、ブランド名は決定していませんでしたが、オーナーから「素材にこだわった大人のおやつのブランド立ち上げに参加しませんか」と声をかけられました。オーナーも大の洋菓子好きで代官山にある有名なプロも通うお菓子教室で勉強した人なので、当初からコンセプトがはっきりしていました。

私のお菓子づくりは“安全なものを作って食べる”ということが出発点です。そしてそれを周りの人が食べておいしいと言ってくれる喜びが原動力でした。なので、ゼロからお菓子のブランドを立ち上げ、製造から販売まで行えるというのは夢でした。でも、正直、天然の素材はすごく高いですし、自分ひとりでやるには金銭的にも時間的にも限界がありました。一度諦めかけていた夢を実現することができるかもしれないと思って、いつもは慎重な私が「はい!」と返事をしてしまったのです。

低カロリーと美味しさの二兎を追うもの…

前迫 それからは順調に進んで来たのですか?

緒方 2016年の春にまずは自宅でレシピ開発を開始しました。まず、オーナーからのオーダーは『カカオとおから粉』を使ったお菓子でした。しかも「大人のおやつ」がテーマなので絶対においしいものをと言われていました。

私にはそれを言われたときからすでに不安がありました。実はマクロビオティックの学校に通っていたときも小麦粉を使わないお菓子を何度か作ったんです。でもこれがぜんぜん美味しくなくて。私のお菓子の教科書はル・コルドン・ブルーのバターと小麦粉と砂糖たっぷりの、甘くて風味豊かなレシピなので、それとは全然違いました。だから、美味しさと身体によいということの両立は難しい、二兎を追うものは一兎も得ず、そう思っていました。でも一応は作ってみるかと思って。そうしたらやっぱり全然おいしくなかったんです。豆くさいというんですか、全然風味がよくなくて。でもそこで私の探究心に火がついたんです! おから粉自体を研究し始めました。で、調べれば調べるほどおから粉がどれだけ身体にいいかということがわかってきました。おから粉のファンになったみたいなものです。

前迫 ファンになったら、どうにかしてあげたい!って思いますもんね。

緒方 そうそう、どうにかこの子を輝かせてあげたい、絶対に美味しくしてみ
せる!という気持ちになりました。そこで、おから粉をいろいろ取り寄せたん
です。そうすると、同じおから粉でもいろいろ特長があって。匂いや、他の材料との混ざり具合、それに焼いた後の質感など、いろいろ試して、今使用しているメーカーさんのおから粉に辿り着きました。そこでようやく光が見えてきました。

困難な開発に心が折れて

緒方 それと、低カロリーというのもオーナーからのオーダーでした。低糖質、低カロリーであること、これがなかなか難しいんです。

コンビニに売られている低糖質のお菓子を見てみたんですが、低糖質と表記されていてもカロリーは普通のお菓子と変わらないんです。某有名ジムがコンビニとコラボしているバームクーヘンも、1個あたり250キロカロリーありました。これはコンビニでおかかおにぎり2個分買うのと同じです。

低糖質のために小麦粉を入れないようにすると、どうしてもパサついてしまうんです。それを補うためにバターや油をふやしていくと、結果、カロリーが高くなってしまうんです。

前迫 低糖質も、低カロリーも、そして美味しさもっていうのはかなり欲張りな話なんですね。

緒方 でもその欲張りを実現するのが『コンフェクション』の大人のおやつとしてのコンセプトでしたから。でも今はこう言っていますが、低カロリーと美味しさを両立させるのが本当に大変で、一度辞めそうになったことがありました。」

前迫 そうなんですか!

緒方 はい。低カロリーという壁は私にとってはすごく高かったんです。まず、カロリーの高い砂糖の代わりにエリスリトールという甘味料をオーナーに提案されました。でも幼少の頃から製品表示を見ている私はカタカナで表記されるこの素材を疑っていました。本当に安全な素材なのかって。でも、調べてみたらエリスリトールは発酵食品に含まれている糖質で安全ということがわかりました。

それがわかってレシピづくりを再開したんですが、私の根底にあるヨーロッパのお菓子とは根本的に性質が違うので、楽しかったはずのお菓子のレシピづくりがどんどん苦痛になっていきました。オーナーからも「これまでの洋菓子だったらいくらでもあるし、もっともっと研鑽を積んできている人たちがいるからそこと闘ってもしょうがないでしょ?」とも言われて。ひどいですよね(笑)

そしてそこに追い討ちをかけるように、おからパウダーが品薄になってしまい手に入らなくなってしまいました。そこで気持ちが途切れてしまって、本当に辞めようという気持ちになったんです。

第4回では、大きな困難にあってどのように気持ちを持ち直して行ったのか、そうして作られたレシピのこだわりを聞いていきます。

Qonfection | SWEET WEB MAGAZINE